建築ジャーナル
2008 2月号
No.1131
定価：900円＋税
特集
構造設計者の生き残り術
2月号特集担当／中村文美 表紙写真／川本史織 （YUKARI ART CONTEMPORARY）
2007年6月の改正建築基準法以降、今まで建築基準法施行令で規定されていた建物の規模別の仕様規定と 構造計算規定が、基準法の条文に格上げされて具体的に明確化された。 また、一定規模以上の建物の構造計算を再確認する「構造計算適合性判定機関」の新設によって、 これまで裏方の存在であった構造設計者を取り巻く環境は一変した。
さらに、構造計算書偽造事件を受け、建築士法の一部が改正された。 一定規模以上の建築物は構造設計・設備設計一級建築士が適合性を確認することが義務付けられる。
昨年夏より構造設計者の業務量は大幅に増加し、一方、判定機関は慢性的な人手不足が続き、 確認審査の停滞で建築着工数は急減。官製不況が危ぶまれる。
的外れな厳格化を進めた失策への現場からの批判が相次いでいる。 改正建築基準法以降、構造設計事務所が直面する状況と打開策を追った。
｢構造設計者の生き残り術｣より
| ■対談1 多様な構造体ができない？ | パンドラの箱を開けた改正建築基準法 工学を法で縛るのはナンセンス 佐藤淳×春原匡利 |
| ■構造設計者の実情 その1 | 適合性判定員業務どころじゃない 構造設計事務所はどこも過重労働 |
| ■構造設計者の実情 その2 | 建築審査が不合理に厳格化されても建築の質は落とさない 大野博史 |
| ■構造設計者の実情 その3 | 現場を無視した法は設計の自由と技術の向上を妨げる 川ｱ薫 |
| ■構造設計者の実情 その4 | 小規模住宅に適合性判定は必要か？ クライアントの幸せが第一では 小西泰孝 |
| ■構造設計者の実情 その5 | 設計の本質を見据えた構造設計家を目指す 満田衛資 満田衛資 |
| ■対談2 伝統構法が危ない | 日本の木造を守れ！ 改正基準法が木造離れを促進 古川保×山辺豊彦 |
