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建築ジャーナル
2006
5月号
No.1103
定価:900円+税

特集

やっぱり木の家、国産材

 


 5月号特集担当/中村文美 表紙写真/今田修二

近くに山がありながら、木肌の白さやコストの安さを理由に外材を輸入することは、減反政策を強いながら外米輸入する愚行と何ら変わらない。 巷では「環境、健康にやさしい」を語った木の住まいを目にするが、その言葉とは相反する現実が横たわる。安い外材を求めた結果、アジア、ロシアなど海外の森林が破壊し尽くされている。短時間施工、クレーム防止のために、人工乾燥によって含水率を抑えるが、色、艶、ねばりなど木の本来の性質が損なわれる。人件費を抑えるために素人でも施工可能なプレカットと金物は、職人減らしを一層助長させている。これでは、ちっとも環境にも人にもやさしくない。  国産材の需要の鍵は、住宅産業に大きく起因している。見せかけだけの木の住まい、経済性、効率性のみを求める家づくりは、大きな犠牲の上に成立していることに気づいてほしい。身近にある材料を使い、職人による時間をかけた家づくりは、環境破壊、地域衰退など現代社会が抱える諸問題を解決する糸口にもつながる。  国産材を使った木の住まいをつくりませんか?

「やっぱり木の家、国産材」より

  
01 座談会 川尻六工匠の気概
熊本の木をとことん使ってエアコン知らずの家をつくる
古川保+井上新午+楠元繁芳+榊浩一+田中幸則+平田保

02 世界の動向からみる国産材の最新情報 森林ジャーナリストの提起
住宅業界こそ日本の森林を救う 家づくりは国産材を使え! 田中敦夫
03 立木流通販売 山に利益還元 木材コーディネーターの展望
森林と消費者を結ぶ木材コーディネーターの役割 能口秀一・安田哲也
04 天然乾燥天下一 地域ビルダーの頑固一徹
太陽の下で時間をかけて木材はすべて天然乾燥の球磨杉 小山幸治
05-1 木の可能性 その1 北の国から
木は最も断熱に優れている 三角屋根の木の住まいは北国の景観 染谷哲行
05-2 木の可能性 その2 南の国から
亜熱帯でも木造はRCより強い 木造建築の技能者育成に全力 宇栄原謙
06 住の健康と安全 建築士の奮闘
科学物質過敏症から分かる安全と危険 大切なのは顔の見える木材提供だ 尾竹一男
07 木は万年持つ 洗い職人に学ぶ
洗いさえすれば木は何度でも生き返る 今江清造

建築ジャーナル5月号表紙
東日本版
中部版
西日本版
九州版

[緊急座談会]
市民との対話・健全なまちづくりに向けて 02
五十嵐敬喜 小倉善明 北村あやこ 小枝すみ子


[INTERVIEW]
自然と安全の共存に先人の自助精神を学べ 加藤誠洋 08

[論評]
海、空、陸は軍靴の下 日々否定軍事基地の沖縄 真喜志好一 10
「建築士」とは何をする職業なのか? 五十嵐敬喜 11

[地域の話題]
東日本 建築関連賞続々、明確な輪郭を持つ神田が今、面白い ほか 12
中  部 戦争資料館完成に向けて、川崎和男名古屋市立大学教授退官 ほか 16
西日本 豊里小学校の今、西大阪延伸線訴訟は原告側住民「敗訴」 ほか 20
九  州 学生デザインレビューin福岡、宮崎に「建築図書館」開設 ほか 24

information 28
オススメABC 30

[安心安全住宅ニュース]
古川保のこんなものほしい12 工業化商品より手づくりが良い。 33
設計監理SOS 悪質リフォーム業者が狙う「床下」と「屋根裏」 坂野茂 34
鈴木床亮のエコヘルス建築学2 エコヘルスとは何か? 35
反電磁波講座5 IH調理器と電気式床暖房のリスク 加藤やすこ 36


[連載]

連載タイトル 連載number 内容
60 建築風土記
栃木県宇都宮篇
17 大谷石がつくる独特の風景 建築の価値にもっと開眼を  
64 筑豊通信 44 国税庁に告ぐ!『施工図」の印紙税法違反者を摘発せよ 濱田イサオ
65 建築をあるく 24 名古屋駅前地区 武藤隆
66 建築を読み解く 7 「Fabric Wall Residence」大石和彦設計 鬼頭梓+
山下和正+
吉田研介+
渡辺武信
69 設計事務所ダイアリー 5 阿部仁史さんの1ヵ月 東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻教授
70 Focus
71 Forum 叶_戸市、開発行政の末期症状 ゙弘利



東日本建築集

  クリエート山本設計室、宮崎均/REP研究所 地域環境総合計画研究所、アーキテクト・アソシエイツ・ヨコハマ、 アール・アイ・エー東北支社、五味建築設計事務所、イル・マーレ設計工房、構想建築設計研究所



中部建築集
  城戸武男建築事務所



西日本建築集
  和新・設計事務所、庵建築計画事務所、五十嵐建築設計事務所、田中啓文総合建築研究所


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