

世界各地で古くから受け継がれてきた土を突き固める建築工法「版築」が、容易な技法と、環境負荷の少なさから改めて注目を集めている。リニア建設にともない現実的な課題として差し迫る建設発生土問題。木、RC、鉄骨に次ぐ「第4の構造体」としての可能性を探りながら、国内における土建築の指針を示す。
「版築・土の建築」より
なぜいま土建築なのか
土の哲学と非構築の建築 近代的思考を捉え直すための土|遠野未来 3
国内における建設発生土問題とは|赤坂泰子 4
土を用いた循環型モデルの構築とその可能性|田中正史 5
ヨーロッパの土建築の展開
この10年の軌跡 発展、経験、展望|マルティン・ラオホ 8
日本の土文化
日本の「土の建築」がたどり着いた柔らかい壁|山田宮土理 10
日本の住環境と土
〈地―質〉から考える日本の都市と集落|松田法子 12
土のアップサイクル
化学反応による「土・プロジェクト」|山下保博 14
世界の土建築のこれから
フランスの煉瓦会社訪問記 煉瓦工場の新世代が挑戦する土建築|薩田英男 16
土の働き場所 ルワンダの建築における土の選択的利用|庄ゆた夏、ジェームズ・セツラー 18
土のワークショップと国際的な土建築ネットワーク|鈴木晋作 20
土の力で土を固める
ケニアの「黒綿土プロジェクト」現地からの最新報告|坂田 泉 22