

懲らしめから更生へ。2025年6月の刑法改正により、刑務所のありかたが大きく変わりつつある。一方で奈良監獄を活用した、ホテル・ミュージアムが話題となり、近代化遺産としての刑務所も注目されている。刑務所に目を凝らすと、わが国の近代化の歴史や、日本社会における人権への意識、課題が浮かび上がってくる。さまざまな角度から刑事司法制度と刑務所について考える。
「刑務所と建築」より
監獄とミュージアム
文化財を残す、その先へ 旧奈良監獄保存活用事業における取り組みと奈良監獄ミュージアムの展望│石井芳明 10
奈良監獄ミュージアムが伝える 監獄の歴史と現在│中島 学 14
「煉瓦美」がもたらしたもの 奈良少年刑務所の記憶│寮 美千子 16
博物館網走監獄の沿革と移築保存・公開の意義│角 幸博 18
座談会
希望と主体性を取り戻すということ 元受刑者に聞く、刑務所と社会復帰│岩崎風水+クマ(オブザーバー=風間勇助) 20
刑務所から社会が見える
近代自由刑の起源 懲治場から、拘禁の時代へ│石塚伸一 26
懲役と禁錮から「拘禁刑」へ その背景と課題について│丸山泰弘 28
アートを通して刑務所を見る、壁を越えたかかわりを生み出す│風間勇助 30
刑務所に新鮮な回路を巡らせる「間」と「場」 リフレクティング・ルームとリフレクティング・カフェ│矢原隆行 32
『刑務所の風景』は変わったか 治安の砦から包摂の砦へ│浜井浩一 34
司法と福祉の連携 修復的司法を考える│森久智江 36
刑事司法と市民活動
刑事拘禁制度を根源から考える 知識を力に、制度の「岩盤」に向き合う│田鎖麻衣子 38
刑事拘禁施設における人権と死刑廃止│塩田祐子 40
被害者の声は加害者に届くか 矯正段階における被害者等の心情等伝達制度の意義と課題│片山徒有 42
刑務所で生きる人とその後を考える映画
自己責任社会が掘る墓穴 映画『過去負う者』│舩橋 淳 44
『ミックスモダン』からの問いかけ 社会は再出発を受け入れられるか│藤原稔三 46